AI絵アカウント急増に思うこと
X/Twitterなんかを見てると、最近多いですよね。AI絵を投稿するアカウント。 思うことがあります。結果から言うと、ちゃんと「AI使ったよ」って書いてね、って話です。
AIの発展と活用自体はいいこと
私は、AIの活用そのものは問題ないと思っています。そればかりか、人の手間が省けるんだったら、どんどん新しい技術を利用したほうがいいよね、って立場です。
現在よく使われている対話AIのChatGPTですが、私もよく使っています。
最近はPythonやLinux系OSをいじることが増えてきたのですが、最初は全然わからなかったので、AIにアドバイスをもらいながら操作しています。実はこのブログの執筆に使っているパソコンのOSもLinux系(Linux Mint 22.1 Cinnamon)です。Windows 10がもうすぐサポート終了ということで、もともとWindows 10が入っていたノートパソコンから、思い切ってWindowsを弾き飛ばして、Linux系OSを入れてみました。ちょっと前まではFedoraを入れていましたが、あれはサポート期間がすごく短いので、より安定的で使いやすいMintを選択しました。
ほらほら、最新版ですよ。
Linuxに触れていたおかげで、コピーをミスって取り出せなくなったDVDのデータを取り出すことができました。
こんな感じで、生成AIは実際に生活に深く浸透しており、問題解決の現場でよく使われています。
AI自体を否定することは、かなり難しい世の中になってきました。
だからって、絵の世界まで入り込むのはどうなの?!
創作の分野までAIが入るとなると、ちょっと様相が変わってきます。
絵のような創作の世界・クリエイティブな世界に、ねえ。
まるで、絵描きさんが無尽蔵に増殖しているような雰囲気です。
従来は、絵の練習をそれなりに積んでからじゃないと…って感じだたと思うのですが、こうもAIで簡単に「絵師っぽく振る舞える」となると、「従来型」の私としてはなんともモヤモヤするものです。
実際に、私よりも有名になってる「AI絵師」は、結構いますよね。
悔しいには悔しいですが、フォローする方もよくフォローしますよね。どういう感覚なんでしょうか。まあ、個人の勝手なのでそこには深入りしませんが。。。
マスピ顔増殖の先にあるもの
AIでよく見る顔ってありますよね。以前交流用アカウントでも紹介しましたが
ただ、どうなんでしょうね。似たような顔。こういうのを、マスピ顔と呼ぶそうです。プロンプトに多用される「masterpiece」から来てるそうです。
masterpieceって傑作って意味ですよね。同じのがいっぱいあると、ありがたみが失われてmasterpieceもmasterpieceじゃなくなっちゃいそう。
さて、こういうのが氾濫した先には何があるのか。
それは、あえて「垢抜けない絵」「磨かれていない絵」のほうがウケる、ってことです。
単純に時間をかけてきれいに仕上げた絵は、相対的に価値を落としていきます。時間をかければかけるほど手のこんだ絵になりますが、従来はこれを持って価値を感じていたわけです。ですが、これからは(というか2022年秋のStable Diffusion出現あたりから)こうは行かない。
となると、フェチを磨くことがより重要度を増してきます。
特にわれわれ性癖絵師界隈では特にそうです。
よくある構図、よくある感じの絵は、AIでも生成できます。
でも、性癖を表現することは、まだまだAIにはできない。
というか、たぶんAI側が規制をかけてくるかもしれない。
昨今のChatGPTの感じを見ても、なんかAI全般がえち系に厳しくなっている気がします。
著作権、大丈夫か
画像生成AIと著作権の関係は外でも盛んに議論されているので、ここでは詳しく話しません。いまさらここで書くほどでもないでしょう。
個人的には、
「AIの学習」そのものは著作権侵害に当たらないので避けられないと考えています。
本当は学習してほしくないんですよ。というか学習させないでください。
ただ、それを物理的に阻止する方法はいまのところ無いです。
絵師がよくやる「ウォーターマーク」的なのも、あまり意味がないでしょう。意味があるくらいなら、AI技術が更にその上を行って無効化するはずです。このあたりは、もはや人間がどうにか工夫して防ごうとしても意味がないんですね。
そして、画風自体には著作権はありません。
したがって、画風を真似されても訴えることはできません。
ただ、これに関しても自分は寛容に行こうと思います。自分だって先輩絵師の絵柄を模写して真似してきましたし(個人的には練習初期はかんざきひろさんの絵柄を参考にしていました)、私の絵を模写して練習してる人だって世の中にいるかもしれません。それを止めることはできませんし、しません。
ということで、明らかなコラージュとかでもない限り、AIによる画像生成は合法なのです。
気持ち的には愉快じゃないですがね。しょうがないです。
なので見出しに対する答えとしては
「著作権、大丈夫か」「だいじょぶだぁ」
ですね。
マナー的にどうなんだろうか
あとは、SNSという社会・集団で、どう振る舞うのがふさわしいか、ということ。人間の集まりですから、見る人皆何かを思うわけです。
どうでしょう?
手書きの絵と似てる画像をSNSで見かけたとき、
「これってAIなんだろうか、手で描いた絵なんだろうか」
「指摘したら失礼かな」
「この絵師さんフォローしていいかな」
迷うことありますよね。
無いですか?
ありますよね?!
世の中には、AIを使っているにも関わらず、そうであると明記していない人が居ます。そういう人、ぜひ聞いてください。
AIを使ったら明記しましょう!!
・アカウント名
・ポスト本文
・画像内
・プロフ欄
わかりやすいところに、「私はAI生成イラストを投稿しますよ」「この投稿はAIですよ」ってちゃんと書いたほうがいいです。
書かないと、見てる人は
「あ、AIっぽい絵が流れてきた」
「ん? でも描いてるっぽいかも」
「まぎらわしい」
「AIとは明記されていない」
(pixivアカウントを訪れる)
(「AI生成」と書かれている)
「(チッ・・・) ですよね〜 AIですよね〜 わかってました〜」
こんな感じです。
時間ももったいないし、何より騙された気分になる。
投稿者本人にその気がなくても。
「AIイラスト」って書くとなんか不都合があんのか知りませんが、
マナーですので、
同調圧力と言われても私は訴えます。AIイラストにはわかりやすくAIである旨を明記しましょう。アカウント名にわかりやすく書くのが手っ取り早いです。
最後に
嫌なんすよ、
手描きイラストがAI生成イラストと同列に並べられるのが。
嫌なんすよ、
pixivとかで、手描きイラストとAI生成イラストが混在してブックマークされているのを見たりすると。
ブックマークは個人の勝手だから別にいいんだけどさ。
同じ土俵の上に立ってるもの同士なんですかね。
そりゃ、
AIでのイラスト生成も、いろいろコツがあるんだと思います。
これから先、うまい生成ができるかどうかでまたヒエラルキー的なのができるんだと思います。(知らんけど
ただ言えるのは、AI生成物が氾濫すると、手描きイラストが埋もれるということ。そして埋もれた結果、絵師はやる気をそがれるということです。
これは私が実際に経験しています。私以上の人もいるでしょう。
AIイラストは、手描き絵の上に成り立ってるものですから、
AIイラストでなにか人気を得ようとするときは、元の絵を描いた人に敬意を。
それを忘れちゃいかんのです。
なんか、AI画像生成という武器を得て、「絵師っぽく振る舞えるぞ、やったー!!」みたいになってる人をちらほら見かけます。
結構居ますよ。
居てもいいんですけどね。
もうちょっと、手書き絵師へのリスペクトを。
AIに「描かせた」ものであって、AI絵アカウントの人自身が描いたものでもなんでも無いから、そのへんを弁えてほしいと思います。そのマインドと、明記さえしっかりしてもらえれば、私はそれ以上は要求しません。
AI自体はこれからも発展すると思います。アニメ制作の現場は昔から大変だそうですが、ここにAIのアシストが入ることで、労働環境が是正されると良いと思ってます。そういう方向でAIが活用されたらいいな、と思っています。
絵師じゃないのに絵師っぽく振る舞える道具に使ってほしくないです。
まあ、所詮はAIも道具に過ぎないので、社会にプラスになるようにAIを活用していくように願っています。